市町村合併座談会
1.中島村の市町村合併に対する取り組み経過
- 平成12年9月、白河市及び西白河郡町村のみで「西白河地方市町村合併研究会」を設立し、合併を前提としないことを条件に、合併のメリット・デメリット、先進事例等について調査・研究を進めてきた。
- この間、白河青年会議所メンバーを中心に、西白河地方7市町村を対象とした法定合併協議会の設置に関する住民発議運動が展開され、平成14年1月に直接請求が提出された。
- 当該直接請求が各市町村議会に付議された結果は、法定合併協議会設置を可決したのが3市村(白河市・表郷村・大信村)、否決したのが5町村(西郷村・東村・泉崎村・中島村・矢吹町)となり、結果として法定合併協議会の設置実現には至らなかった。
- 平成14年12月の西白河地方定例市町村会の席上において、白河市長より西白河地方7市町村による任意の合併協議会設置の提案を行なわれたが、時期尚早との判断。
- 平成15年5月以降、定例市町村会等で、合併についての協議が行なわれてきたが、具体的な進展はなかった。
- 平成16年5月に村内7ヶ所において「市町村合併地区別座談会」を開催。
- 平成16年6月に村内全世帯を対象に「市町村合併に関する住民意識調査」を実施予定。
2.合併の必要性。時代的背景とまちづくりの課題。
住民の日常生活圏の広域化
現在の市町村の枠組みがほぼ形成された昭和30年代初期とは違い、現在はクルマ社会の進展、情報網の発達等により、住民の生活圏や企業の経済活動圏は市町村の行政区域を越えて拡大しています。
また、環境問題や介護、産業振興など市町村の区域を越えて広域的に対応すべき行政課題が近年急速に増えてきています。こうした行政課題に対応するうえでは、広域的なつながりのメリットを見出したり、将来に向かっては類似施設の集約化に努めるなど効率的な行政運営を図ることが求められます。
特に、多様な自然資源や産業資源、さらには人的資源の確保・拡大を図ることができ、一つのまちではできなかった、多様で相乗効果が期待できる産業振興施策や他のまちに誇れる特色ある事業の実施等を図り、中核都市として、人・物・情報が集中する優位性を活かし、地域が一体となり行政課題に取り組む時代となっています。
少子・高齢化の進行
全国的に少子・高齢化が急速に進行するとともに、総人口の減少時代を迎えようとしています。このことから、高齢者世帯や要介護者の増加のほか、人口構造の急激な変化による現役世代の負担増、地域社会の活力の低下など、さまざまな影響をもたらすものと考えられます。
また、女性が子供を育てながら安心して働き続けることができる環境づくりや、高齢者への生活支援サービスなど少子・高齢化対策の充実・強化が急務となっています。こうした状況の中で、住民が安心して暮らすためには、これまで以上に地域が一体となって、子育て支援や保健・医療・福祉サービスの充実など少子・高齢社会へ対応した施策を展開していくために、専門的な人材や財源の確保などが必要となります。
行政ニーズの多様化と高度化
住民のライフスタイルや価値観の多様化に伴い、医療・保健・福祉・教育・文化・スポーツ・生活環境など行政に対する要望も多様化・高度化しています。
今後の自治体においては、住民、企業等の行政ニーズを的確に把握し、それに応えられる専門部門の設置、専門職員の育成や配置など能力を備えた行政体制づくりが求められています。
分権型社会の到来
これからは、住民にとって最も身近な自治体である市町村が、「自己決定、自己責任」のもと、創意工夫により行政施策の決定を行っていく必要があります。地方分権の推進により、国から県、県から市町村へと事務や権限が移譲されていますが、住民生活に密着した、より多くの業務に対応するため、これまで以上に、行政能力の向上と財政基盤の強化が求められています。
厳しい財政状況
国と地方を合わせた長期債務残高が平成15年度末には約695兆円に達する見込みとなっているなど財政状況は極めて厳しい状況にあると言われています。近隣市町村においても、少子・高齢化の進行、構造的な不況の長期化などにより、地方税などの自主財源を今後十分に確保し続けることは難しく、さらに、財源の多くを地方交付税等に依存しており、三位一体改革による地方交付税の見直し等によって財政運営が厳しい状況にあります。
地方自治体が提供している行政サービスを今後とも継続していくためには、より効率的な行財政運営を行なうことが求められています。
3.合併にはどのようなデメリットがあるのか。
一般的に言われていることとして、
- 役場が遠くなり不便になるのでは。
- 住民の声が行政に届きにくくなるのでは。
- サービスが低下するのでは。
- 周辺部がさびれるのでは。
- 歴史、文化、伝統などが失われてしまうのでは。
- 財政状況の良い市町村に不利になるのでは。
4.合併にはどのような効果があるのか。
一体的な視点に立った効果的なまちづくりの促進
福祉施設・福祉サービスの充実
- 複数市町村に設置されている在宅介護支援センターやデイサービスセンター等を効率的に利用するとともに、ネットワーク化を進めることにより、福祉サービスを充実することが可能となります。
- 福祉支援ボランティアやNPO活動等も一体化することにより各種団体との連携やネットワーク化等が進み、活動の活性化や多様化が図られ、これに伴うコミュニティビジネス等の起業化により、地域の雇用機会の創出も期待されます。
環境保全事業の推進
- 複数市町村がそれぞれに実施してきた河川、森林などの自然環境保全については、森林地域から河川地域に至る一体的で計画的な対策が可能となります。
- ごみのリサイクルや新エネルギーの開発等をより大規模に進めることが可能となり、効果的な事業展開により循環型地域社会の形成が期待されます。
都市基盤整備の推進
- 道路や上下水道の都市基盤整備、土地利用など地域が一体となって発展するためのまちづくりを重点的、効果的に実施することが可能となります。
- 情報ネットワークの整備効果も高まることとなり、多様な情報システムの導入が進み、地域間での情報の共有や交流の拡大が期待されます。
防災対策の充実強化
- 地域の消防団組織や消防連絡体制が再編され、地域の総合的な避難誘導、連絡体制の整備が期待されます。
- 複数市町村がそれぞれに実施してきた治山・治水対策が、森林・流域全体を一体的に計画実施することが可能となります。
産業振興施策の推進
- 複数市町村の観光資源やスポーツ・文化交流施設、体験型農業施設、歴史文化施設等の観光施設、観光交流イベントなどをネットワーク化、一体化することにより通年滞在型観光を確立する可能性が高まります。
- 農業の地域特性を生かした特産品であるトマトや優良米等の産地が一体化され、また直販施設等も連携ネットワーク化されることにより、統一ブランド化や地産地消体制の拡充強化が期待されます。
- 複数市町村が一体化されることにより農地流動化が促進され、経営規模の拡大、担い手の育成確保が期待されます。
- 従来各地域で活動していた企業や研究機関、各種産業団体において、これまで以上に一体化、ネットワーク化することが可能となり、相互の協同と連携が強化され地場産業や起業活動の一層の振興が期待されます。
住民の利便性の向上
利用可能な窓口の増加
- 各種証明書の発行などの窓口サービスは、新しい市の区域であれば買い物や通勤・通院の際に、より身近な行政窓口で同様のサービスが受けられるようになります。
公共施設の相互利用の拡大
- 公共施設の機能を分担し、地域特性を活かした特色のある運営が可能となり、情報基盤の整備、施設間のネットワーク化を図ることで、多様なサービスを提供することが可能となります。
- 新しい市の住民は、区域内の公共施設は同じ条件で利用ができ、イベント情報などを住民が共有することで積極的な施設利用やイベント参加が期待されます。
行政サービスの充実
個性ある行政施策・サービスの展開
- 少子・高齢化や情報化、国際化、男女共同参画、都市計画、観光振興などの分野で、新しい時代に対応した、よりきめ細かな部門の設置ができ、多様で個性ある行政施策の展開が可能となります。
- 法令、福祉等の行政分野において、より専門的な職員を配置することが可能となり、高度で専門的な行政サービスの提供ができるようになります。
5.中島村の一般会計の動向
昨今の景気低迷による税収の減少に加え、国からの地方交付税の交付基準改正により、交付額が大幅に減少する見込みであります。
平成16年度予算を例に説明しますと地方交付税額(臨時財政対策債を含む)で約1億5千万円、国庫補助金関係で3千4百万円の計1億7千4百万円の減となる見込みです。また、村税についても前年度比4千4百万円の減と見込まれます。
今後もこの状況が続いていくものと考えられます。
対策として、行財政改革の推進、事務事業の見直し等で節減に一層の努力をしなければならない状況であります。また、市町村合併も1つの方法であります。
なお、交付税は村の収入の40%以上を占めています。交付税収入の減により、各種事業等ができなくなったり、改定が必要となります。
次のような住民サービスの低下が考えられます。
サービス | 事業 | 改定 |
---|---|---|
・幼稚園延長保育 |
・道路建設改良等 |
・水道料の値上げ |
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- 2016年3月10日
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