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四穂田古墳出土品について

~ 東 北 最 古 の 短 甲 ~

四穂田古墳(よほだこふん)出土品

福島県指定重要文化財(平成30年4月6日指定)

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 四穂田古墳出土品は平成23年9月、村内町畑地区の共同墓地から短甲をはじめとする副葬品が出土し、この地区には墳丘の痕跡もあり、出土された地名から四穂田古墳と呼ばれることになりました。
 

 短甲は鉄製で三角板の鉄素材を組み合わせて鋲で留める三角板鋲留短甲(さんかくいたびょうどめたんこう)と呼ばれる型式で、三角板鋲留短甲は古墳時代中期に新たに登場する新式の短甲の一つで大和を中心に分布し、各地から出土する場合には大和政権から権力を示す武具として与えられたものと考えられています。これまでの出土例は関東地方までに限られており、本例は東北地方で初めて出土した古墳時代中期の短甲です。古墳時代中期に東北地方に大和政権から武具を与えられる関係にある豪族が存在していたことを示す大変貴重な資料となっております。

 

 鉄大刀3口はいずれも保存状態良好な資料ですが、すべて茎(なかご)部分が失われており、意識的に毀損したと判断されます。古墳被葬者の埋葬にあたり、大刀の茎部分を折り取って副葬する儀礼の存在を示す貴重な例です。


 鉄鏃(てつぞく)は、片刃の鏃身と長頸鏃であり、古墳時代中期中葉から存在し、鉄鏃の年代上限は中期中葉と考えられます。


 2丁の鉄ヤリガンナは、柄の木質とわずかに巻きつけ紐が遺存しており、構造は断面凹字形の柄に身部をはめ込み紐で固定したと考えられます。


 砥石は大小ともに凝灰岩製であり、大型品は全長20.5cmの長方形で長側4面が使用面となります。研ぎ減りが著しく、中央部の幅は端部の半分程度であり、小型のものは長さが9.2cmの扁平な形状で、未孔であるが中期に出現し小孔を穿つ提砥に類似します。


 また、上記のほか1丁の鉄斧や、少量の土師器が出土されています。

 今回、土師器がほとんど発見されなかったため、当古墳の年代を確定することは難しいですが、短甲の小型鋲の多用・鋲止め方法等の特徴より本例は鋲留短甲の中でも最古段階であり、本古墳の年代が5世紀前葉と考えられ、県南地域最古の古墳である可能性が出てきました。これほど豊富な副葬品を出土する中期古墳は県内では少なく、大変重要な古墳となっております。

 平成26年度より「国宝重要文化財等保存整備費補助金」を活用し、短甲を含む出土品の復元作業が奈良県の元興寺文化財研究所において保存復元作業を実施しておりましたが、平成27年10月に作業が完了し、現在は福島県立博物館において保管及び管理をしています。


『三角板鋲留短甲』の画像

※三角板鋲留短甲

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